ニューヨークは、広告・デジタルマーケティング分野においては世界でも最先端の街。ファッション・リテールなどの分野が盛んなことに加え、デジタルマーケティングとAI/Machine Learningを掛け合わせたサービス等も近年は一般的になりつつあります。

 

コーネル大学ジョンソン経営大学院(MBA)の授業の一環で、McGarryBowen社のPat Lafferty氏 にお話を伺う機会がありました。以下、学んだことをまとめておきます。


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米国企業におけるCMOの重要性

まず、米国企業では想像以上にCMOが重要視されています。CMOの交替に伴い、一気に方針・戦略が変わるということが大企業でも普通にあり得ます。たった一人のCMOの存在によって、大企業の方針が大きく変わることは日系企業ではあり得ませんので、これはトップダウンかつ個人の裁量の広い、米国企業ならではの傾向だと感じました。

知識としては知っていたつもりでしたが、改めて業界を牽引する立場にいる方にお話を伺うと、新鮮な気がしました。

米国企業の広告代理店・エージェト離れ

米国におけるデジタルマーケティングのトレンドの一つは、特に大企業の「広告エージェント離れ」が進んでいることが挙げられます。たとえば、ユニリーバ社は今年、インハウスのマーケティング部門の設立を実施し、結果的に30%のコスト削減に成功したといいます。背景としては、インハウスでマーケティング施策を実施する方が、ナレッジの蓄積につながるという点が挙げられており、Pat氏によると、この傾向は米国の大企業全般に見られる傾向だと言います。

コンサルファームと広告代理店の境界がなくなりつつある

もう一つ、近年のトレンドとして、戦略コンサルティングファームと広告代理店の業務範囲に境界線がなくなりつつある点が挙げられます。これは、従来の戦略コンサルティングファーム領域の業務が減少していることに伴い、「戦略コンサル」の業務だけでは各社が勝ち残れなくなってきている点が大きいと言います。結果的に、マッキンゼー、デロイトなどの各社コンサルティングファームは、広告代理店を買収することにより、デジタル分野のリソースを拡張しています。

一方、広告エージェント・代理店側も、コンサルティングファームに負けず業務範囲を拡大しています。前述のユニリーバを代表する「企業の広告代理店離れ現象」の影響を受け、かつてはコンサルティングファームのみが担っていた戦略部分の領域にも踏み込み、デジタルマーケティング分野から企業の戦略立案まで、ワンストップでサービスを提供する広告代理店も増えてきています。

一方で、コンサルティングファームも広告代理店も、旬の過ぎた業界とみなされてしまうケースが多いのか、近年は各社が若手優秀層の採用に苦戦しているようです。

このようなトレンドが広がる中、広告業界の新しい流れとしては、各社が生き残りをかけて新しい事業領域に踏み切っていることです。たとえば、ベンチャーキャピタルとの協業などがその一つです。McGarryBowen社のサンフランシスコ支社では、「VCスペース」というものを創設しており、VCと社内部門が上手く連携し、協業できるように体制を整えていると言います。

米国の広告業界動向・デジタルマーケティング分野については、ニューヨークにいると本当に学びが大きいです。今後も記事にまとめていきます。

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